ABINC

Q.1 いきもの共生事業所®認証(ABINC認証)とは?

 当認証制度は、自然と人との共生を企業活動において促進することを目的に作られました。
 一般社団法人 企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)が作成した「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」及び「土地利用通信簿®」を認証基準として、企業における生物多様性に配慮した緑地づくりや管理・利用などの取り組みを、一般社団法人 いきもの共生事業推進協議会(ABINC)が、第三者評価・認証するものです。
2014年2月の第1回認証では、都市域のオフィスビルや商業施設を対象とするため、「土地利用通信簿®【都市・SC版】」を認証基準としています。
※いきもの共生事業所®はJBIBの登録商標です。

Q.2 どのような取り組みが評価され、認証されるのか?

<1> 生物多様性に貢献する環境づくり
その地域で本来みられるべき生物がなるべく多く生息・生育できる緑地作りという視点から、企業緑地の面積や構造、まとまり度合い、つながり度合い、地域に根ざした植生などといった緑地のハード面を中心に評価を行います。

<2> 生物多様性に配慮した維持管理(自然の循環を活かした持続可能な維持管理)
周辺の土地利用状況を踏まえつつ、灌水、施肥、病害虫防除、除草、剪定、落葉処理などの維持管理において、自然の循環を最大限に活かすことが重要という視点から、化学物質の適切な使用、水循環や物質循環への配慮、指標生物のモニタリング状況などについて評価を行います。

<3> コミュニケーション活動(ステークホルダーとのコミュニケーション)
生物多様性の取り組みを継続し効果の最大化を図るためには、地域との協働や人材育成が重要という視点から、地域との連携、多様な活用プログラムの推進、従業員の参画と担い手の育成などについて評価を行います。

<4> その他の取り組み(ボーナスポイント)
上記項目では評価されていない、地域の希少種の保全活動や地域の生態系保全に資する整備活動、保全活動について評価を行います。

Q.3 ABINCのロゴの意味は?

 このロゴマークは、「「自然と共生する世界」の実現にビジネスから貢献する」というABINC設立の目的を表現しており、生物をモチーフとした中心部分の周囲に広がる三重の輪は、土と水と緑の色を表し、またその広がりは地域共同体との共生を意味しています。

Q.4 認証基準となった「いきもの共生事業所®ガイドライン」及び「土地利用通信簿®」を作成したJBIBとはどのような団体なのか?

 多様な企業が情報を共有し、国際的な視点に立って共同で生物多様性の保全に関する研究を進め、得られた成果を元に他の企業やステークホルダーと対話することにより、自社の取り組みレベルを高め、真に生物多様性の保全に貢献する取り組みを進めることを目的として、生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取り組みへの意欲の高い企業が集まっている一般社団法人です。

名称
一般社団法人 企業と生物多様性イニシアティブ
設立
2008年4月1日
会員
正会員:38社 (2013年9月25日現在)
ネットワーク会員:16社 (2013年7月10日現在)
ホームページ
http://jbib.org/

Q.5 「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」とは?

 生物多様性に配慮した土地利用の考え方や処方箋を示し、取り組みの成果を可視化することで、生物多様性に配慮した土地利用を促進することを目的としたガイドラインです。 企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)の中にある「持続的土地利用ワーキング」のメンバーが、東北大学、山形大学の研究者の方々と協働して開発しました。 ※いきもの共生事業所は、JBIBの登録商標です。

Q.6 「土地利用通信簿®」とは?

 生物多様性への貢献の程度や取り組みレベルを点数で評価するツールです。各事業所や施設の管理者などが、「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」を学びながら、自己採点もできるように作られています。  このツールを活用することにより、現時点で、どこまで生物多様性への配慮ができているか、何が足りないのかを明確に把握でき、具体的な目標設定や計画策定などPDCA管理に結びつけることが可能となります。 ※土地利用通信簿は、JBIBの登録商標です。

Q.7 JBIBとABINCの関係は?

 ABINCはJBIBより、会員企業以外への「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」の普及・推進を付託され、認証制度を発足いたしました。認証以外にも、普及・推進のために、ガイドライン講習会の開催や国や地方公共団体への提言活動を行っています。  ABINCは、この目的のために、JBIBより許諾を得て、JBIBの著作物である「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」と「土地利用通信簿®」を使用しています。

Q.8 ABINCの今後の活動は?

 「いきもの共生事業所®推進ガイドライン」の普及・推進を通じた、企業の持続的土地利用の主流化に貢献するとともに、「自然と共生する世界」の実現にビジネスから貢献するために、志を共にする団体と協働して、次のようなさまざまな課題に取り組んでまいります。

いきもの共生事業所®に資する地域性種苗の育成・流通
都市の木質化に資する国産材の利用促進
東京オリンピックのおもてなしに資する水と緑のネットワーク強靭化
森林の健全化に資する獣害・特定外来種対策を通した獣肉資源の加工・流通
生物多様性オフセット制度の日本での確立に資する生態系評価手法の検討            等